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視座を上げる

当たり前を疑うことで批判的思考力を身に着ける

 

批判的思考力とは何でしょうか?物事を無批判に受け入れるのではなく、客観的かつ多角的にとらえて理解する、視座を上げる、ということです。

この能力があるとどんなメリットがあるのでしょうか?それは、物事の本質をつかむことができたり、問題解決能力が高まるということです。

例えば健康食品の販売で「この’頭すっきり汁’を飲むと、頭がよくなりますよ!」と販売員に言われたら、どうしますか?「頭がよくなるというのはどういうことですか?」と批判的に質問をして本質を明らかにできるでしょうか。他にも「世界一幸せな国は〇〇〇である」と言われたら、その幸せな国はいいなぁと思うでしょうか。それとも何をもって幸せと定義づけていて、調査の方法も調べてみようと思うでしょうか。データの信頼性や妥当性も見てみる必要がありそうです。

概して、人間は目の前の出来事や世界を当たり前であると捉えがちです。子どもの頃は特にそうです。自分の家族、学校、近所が目に入る世界で、その中で起きていることは殆どの場合疑いもしません。なので批判的知思考力というのは、意識して問いかけていかない限り身につかないのです。

高学年クラスのレッスンの中で「小学生の通学にランドセルを使用すべきか」とお子さん達に問いかけてみました。半数以上のお子さんが「使用すべきだ」と答えました。その根拠は子供らしくかわいいものが沢山でてきます。「だってランドセルは教科書を入れやすいから」「ロッカーに入れるとき、硬くて入れやすいから」「水に浮くので洪水の時に浮き輪替わりになるから」などなど…

子どもたちの意見は大切に受け止めます。ただ、通学にランドセルを使用する根拠としては、上記の理由ではちょっと足りないものがありますね。そこが批判的思考力の必要な部分です。そもそもなぜ日本の子どもたちはランドセルなのか?他の国の小学生はどういう通学カバンを使っているのだろうか?ランドセルが無かったらどういう点で困るんだろうか?代わりに使えるものはないのだろうか?というように問いを重ねていけば、おのずと柔軟に考えることができるようになりますし、視座も上がっていきます。