「成長する」と一言でいっても、そこに時間軸を入れて考えていくと、人間の成長の奥深さが見えてきます。「成人発達理論による能力の成長」という本に記載があった内容を、ことばキャンプに照らし合わせて皆さんにご紹介します。
①日・分・秒単位の成長
短い時間の中での成長です。ことばキャンプのレッスンの中で見られるお子さんの成長がこちらに該当します。レッスン開始直後はモジモジしていたお子さんが、肯定的なフィードバックを受け取るうちに自信が出てきて声が出せるようになる。ゲーム感覚で取り組めるワークをしているうちに気持ちが乗ってきて、最終的にワークを全て完了することができる。レッスンが終わる頃にはアイコンタクトや大きな声で発表ができるようになる。
②月・数週間単位の成長
ことばキャンプは半年以上の参加をお願いしています。一般的にコミュニケーションスキルは一朝一夕に伸びるものではなく日々の生活の中でも意識して取り組み実践することで伸ばすものです。よってお子さんのコミュニケーションスキルも同様です。この月・週週間単位の成長というのは、ことばキャンプに限らず他の場面でも見られます。例えば夏休みにキャンプに1人で参加したら、成長した。一学期の間に、出来ることが増えた。発表会に向けて集中的に練習したら技術が上がった…等が該当します。
③年単位の成長
何かを始めて1年後、3年後、5年後にどう変化したのか。そういった長期的なスパンでの成長です。一般的に私たちがイメージする「成長した」というのは、このレベルの成長であることが多いです。私の教室にことばキャンプに参加して4年目の生徒さんがいらっしゃいますが、入会当時の様子を思い出すと別人のように成長を遂げていらっしゃいます。お試しレッスン時はシャイで、前に出て発表をすることは極力避けていました。今となっては、挙手や発表が積極的、友達への質問や肯定的フィードバック、ファシリテーションもできるようになっています。
小さな成長を見逃さないで
これをお読みくださっているあなたにとって「成長する」というのは、どの次元の成長ですか。私たちは①の一番小さい次元の成長を見逃しがちです。これがないと、次の②③にあたる次元の成長が無いにも関わらず。小さい次元の成長を目ざとく見つけて認めてあげましょう。肯定的なフィードバックや建設的なフィードバックをしてあげましょう。次の次元の成長が加速します。