ことばキャンプの教室で6月に取り上げたのは、応答力です。応答力のワークとして、低学年クラスは「あいづちワーク」、高学年クラスは「質問ワーク」が紹介されました。このワークについて、少し解説をさせてください。
保護者の方から「子どもの雑談力を高めるにはどうしたらいいですか?」というご相談をいただくことがあります。雑談力は大人にとっても難しいのに小学生に雑談力が求められるのか…と最初は驚いたものです。おそらく、ご自身のお子様の他者との会話がキャッチボールになっていないので、親御さんが気にされているものと思います。
例えば次のような場面はないでしょうか?
- 習い事の先生「先生ね、この前、長野県に行ってきたから、これお土産ね」
- 子「(小さい声で)ありがとうございます…」
- 習い事の先生「長野県には行ったことあるかな?」
- 子「(小さい声で)ありません・・・」
- 習い事の先生「・・・」
というような、トーンダウンしていく会話です。この会話の雰囲気では会話がしぼんでいってしまうので、習い事の先生は次は何を言おうか迷っていそうですね。
どうしたらいいのか?ということで、すぐできる方法としては、相手の発言にあいづちや質問を入れていくことをお勧めします。これだけでも随分と会話は活性化します。
- 習い事の先生「先生ね、この前長野県に行ってきたから、これお土産ね」
- 子「かわいい!ありがとうございます。長野県には、どうやって行ったんですか?」
- 習い事の先生「車で行ってきたよ。」
- 子「そうなんですね。車で行くと何時間くらいかかるんですか?」
- 習い事の先生「渋滞がなければ3時間くらいかな…」
- 子「なるほど~。先生は長野県で何をしたんですか?」
- 習い事の先生「先生の両親が住んでいるから、顔を見たくてね…」
会話がキャッチボールになっていて、話をしていても心地よい感じがするのではないでしょうか。
あいづちや質問が効果的に使えると、他者との関係構築もしやすくなります。親子の会話にも意識して取り入れていくことで、レッスンとの相乗効果がみられるようになります。