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子どもからの暴力への対処(前半)

最近「うちの子、私のこと叩いたり蹴ったりしてくるんです。痛いからやめなさいといっても効果なくて、繰り返します。どうしたらいいですか?」と、お母さんたちから相談を受けることが多いです。

暴力をふるうお子さんの年齢が未就学児のうちに、この行動を修正する必要があります。成長するうちにおさまると楽観視してはいけません。成長すると暴力行為は修正が難しくなり、家庭内暴力へと発展します。

今日はお子さんが未就学児の時期の対処方について少しお話します。

親御さんに状況を尋ねると「うちの子は、言葉にうまくできない感情を暴力で表現するようです」とのことです。

さて、「言葉にする」こと自体は、ことばキャンプのようなトレーニングで改善していきますのでそれはここでは置いておきます。問題は「暴力で表現する」というところです。

これは、お子さんが「暴力で表現してもいい」と理解しているからにほかなりません。

もう少し説明しましょう。暴力を振るわれた時に、親御さんがどういう対応をしているかというと、だいたい以下のパターンにわかれます。

①暴力はいけないことであると説得する

②同じように叩いて痛いことをわからせる

③抱きしめて落ち着くまで待つ

①説得する

残念ですが、この方法は殆ど効果がないと思ってください。

お子さんが知るべきは暴力の良しあし等の説明ではなくて、単純に「やっていい行動とそうでない行動の線引き」です。暴力はやってはいけない行動なので、それをわからせなければいけません。どうやってわからせるのか?後半に続きます。

②同じように叩いて痛いことをわからせる

この方法も殆ど効果はありませんし、親御さんにも何とも嫌な気持ちが残ります。

エスカレートすると虐待にもつながりかねません。親が叩かなくても子供の行動は補正できます。

③抱きしめて落ち着くまで待つ

育児書には、暴れるのは愛情を求めているからで親の愛情が伝われば子供の行動は変わる、という記載があるからでしょう。愛情表現をするのは大事ですが、親に暴力をふるったときに抱きしめていると「暴力をふるうとかまってもらえる、抱きしめてもらえる」という誤った学習につながります。