前半で「お子さんが知るべきは暴力の良しあし等の説明ではなくて、単純に『やっていい行動とそうでない行動の線引き』です。暴力はやってはいけない行動なので、それをわからせなければいけません」と書きました。こちらでは具体的な方法を記載します。
①やってほしい行動といけない行動のリストを作る
「我が家のルール」を作りましょう。具体的なルールがよいです。
例えば、以下のようなものがあります。
・暴力(例:なぐる、たたく、ける)をふるわない
・暴言(例:ののしる言葉や乱暴な言葉)をはかない
・あいさつ(例:おはよう、こんにちは、いってきます、ただいま)を自分からする
・学校の宿題は夕飯前に終わらせる
ルールは家族全員で決めて、見えやすいところに貼っておきます。
②やってほしい行動ができていたら、認めて声にだす
お子さんが行動ができていたら、褒めてください。この褒めるという作業ですが、行動やプロセスをそのまま表現して声に出すだけで十分です。そこに親御さんのうれしい気持ちをプラスすることも良いでしょう。
例えば、以下のようなものがあります。
「いってきますのあいさつが、大きな声ではっきり言えていたね」
「学校の宿題を夕飯までに終わらせることができたし、明日の準備まで終わらせられていたね」
「疲れているお母さんに肩たたきしてやさしくしてくれていたね。うれしいなあ。ありがとう」
③やってはいけない行動がみられたら、ペナルティがある
お子さんが好きなことや好きなものを取り上げるペナルティがよいです。多くの場合は、ゲーム禁止がありますし、友達を家に呼んで遊ぶのを禁止するといったことでもよいでしょう。
禁止の期間は、やってはいけないことの深刻さに合わせて変えてください。
暴言や暴力は、社会的にも許される行動ではありませんので、もっとも深刻です。
またうそをつくこと・ものを盗むことも深刻です。
ですので、我が家ですと1週間から2週間、禁止期間になります。
あいさつができていない等は、注意喚起だけでよいでしょう。
そして小さいあいさつができた時に、やや大げさなくらいほめると、良い行動の発現を促します。
最初はお子さんは暴れたり抵抗を示したりして親御さんもハラハラするかもしれません。
しかし大事なポイントは、決してぶれてはいけないということです。親の威厳を保ちましょう。
「我が家の大切なルールを破ったのだから、ペナルティは課します」
でよいです。暴れたから、謝って素直な態度を示したからといってペナルティを軽くしてはいけません。親がぐらぐらしていて安定していないと、子供はすぐに見破り足元をみます。
「なあんだ。お母さんはなんだかんだ言ったって、こうしたらすぐに折れるじゃん」
そうするとルールを作った意味もなくなります。
この①②③が竹のようにピシッとまっすぐ貫かれていると、お子さんの困った行動は良い行動にシフトしていきます。短ければ1カ月で、長くて半年くらいで変わります。