前回、「ネガティブ感情を引き起こす外部刺激には反応しない」と決めることが大事とお伝えしました。それが言うは易く行うは難しですので、今回は実際に行う方法について書きます。
①自分が反応したことに気づいて言葉にしてみる
イラっときたら⇒「今、私はイラっときている」
がっかりしたら⇒「今私の心の中には失望が広がっている」
②その感情が何に基づくものなのか自己分析する
「イラっときたのは、Aさんが挨拶を返さずに無視したから」なのか「イラっときたのは、私が挨拶を大切にしているから」、どちらですか。
「私が失望しているのは、上司が私の貢献を認めてくれていないから」なのか「私が失望しているのは、私自身が認知称賛を大切にしているから」、どちらですか。
ここで後者の自分の大切にしているもの=価値観が言葉にできると、反応がいったん収まる可能性が高いです。自分の価値観が自分であらためて認識できることは、自身を認めてあげること=肯定することだからです。
③自分が判断していないか改めて問いかける
さらに判断をしていないか自身に問います。
「Aさんは仕事に集中していてこちらが見えていないのかもしれない」
「Aさんは私のことを嫌っているからかもしれない」
「Aさんは挨拶が苦手だからかもしれない」
こうして問いかけてみると、これら全て自己判断だということがわかります。相手に訊いて確認するほど重要なことでもなければ自己判断は妄想にすぎませんから「無駄」ということで、全て捨て去ります。
「これは全部私が判断していることなので、考えても無駄です。手放します」と声に出します。
④判断から抜けきれなかったらその場を物理的に離れる
それでも感情が揺れ動いていたら、体を動かします。可能であればその場を物理的に離れてしまいましょう。歩きまわることが可能であれば外を歩き回るのもお勧めです。
⑤物理的に離れることが難しかったら目を閉じて深い深呼吸を5回以上繰り返す
書いてある通りです。呼吸は自律神経を整えるのに最も簡便でやりやすい方法です。
仏教(ブッダ)の反応しない教えや、マインドフルネス、非暴力的コミュニケーション等でも同様のことを言っています。より詳しい方法が知りたい場合はそちらも参照にしてください。